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誕生の『F』

 【20//2018】

新年のご挨拶からはや4か月半・・・。
お待たせいたしました、motojiです。
pxivで光武帝様のイラストを見てからティン!と来てこの小説を書きあげました。
また光武帝様ご本人から挿絵としての使用を許可いただきました。
大変ありがとうございます。




カツカツとパンプスが床を叩く音が響く。
彼女、時空管理局本局執務官フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは早足に廊下を歩く。
やがて目的の部屋の前に来ると入り口を守っていた武装局員にIDを提示する。
「フェイト・T・ハラオウン執務官です」
「ご苦労様です。中へどうぞ」
事前に連絡を受けていた局員はフェイトに敬礼すると部屋のロックを解除する。
厚く、重たい扉が開き、部屋の中へ入るフェイト。
中は面会室になっており、部屋は一枚の強化ガラスで隔てられていた。
「・・・お久しぶりです、フェイトお嬢様」
そしてそのガラスの向こうに彼女・・・戦闘機人『ナンバーズ』のナンバーⅢトーレはいた。



「ええ、お久しぶりです。半年ぶりでしょうか?」
「正確には5か月と11日です。フェイトお嬢様」
フェイトのあいさつにトーレは淡々と答える。
その表情は最後に会った時と変わらず、鋼の様に固い鉄面皮だった。
「それで?敗残の身である私になんのご用でしょうか?」
ナンバーズの中でも最も実直な武人肌のトーレは前置きもそこそこにフェイトに尋ねる。
「・・・先日スカリエッティの物と思われる研究所が発見されました」
フェイトは一度頷くと事の概要を説明し始めた。



とある世界で謎の施設が見つかったのが数日前。
内装や施設を守っているガジェット・ドローンの存在からナンバーズたちの創造主、ジェイル・スカリエッティの研究所の一つであると判明。
研究所の調査が決定したが、施設を守るガジェットの数が多く、内部に侵入するのも困難を極めていた。
スカリエッティからの聴取の結果、ガジェットたちは登録された人物以外の侵入を拒むようプログラムされており登録されているのはスカリエッティの他、初期に製造されたナンバーズのみであることが分かった。
試しにN2R・・・元ナンバーズの更生組が侵入を試みたが結果は失敗。
ガジェットの猛攻に遭い、返り討ちにされてしまった。
そのため登録されている人物に協力を要請したがスカリエッティをはじめ、ナンバーⅠウーノとナンバーⅣクァットロには協力を拒否されてしまった。
「ナンバーⅡが死亡している以上残っているのはあなただけ・・・協力してもらえませんか?」
「・・・・・・」
強化ガラスの向こうでトーレは目を瞑り、腕を組んだままただ黙ってフェイトの言葉を聞いていた。
一分、二分・・・部屋に時計の秒針音だけが静かに響く。
「・・・二つ、条件があります」
長い沈黙の後、トーレは瞼と口を開いた。
「・・・伺いましょう」
どのような要求を突き付けてくるのか・・・フェイトは身構える。
「一つは侵入に際して私の装備を返して欲しい。研究所に入るにはあれが必要です。もう一つは・・・」
ゴクリと生唾を呑むフェイト。
警戒心を隠せない執務官に苦笑しながらトーレは続ける。
「そこまで警戒する必要はありません。もう一つはセッテの事です」
トーレの口から出てきたのは彼女と同様に起動拘置所に収監されているナンバーズ、ナンバーⅦであるセッテに対するものだった。
「彼女の釈放に便宜を図ってもらいたい。ドクターや私と違い彼女には外の世界で生きる資格がある。我々に付き合って檻の中で生を終える必要はありません・・・」
ナンバーズの中でも後期に完成し、なおかつ感情を乏しく設定されていたセッテは先のJ.S事件の際トーレの命令に忠実に従う存在だった。
そのため管理局では命令に従っただけの彼女には情状酌量の余地ありとして更生施設にて社会勉強を行わせようとした。
しかし彼女はトーレから離れようとせず、ともに起動拘置所への収監される道を選択した。
「分かりました。こちらとしても彼女の社会復帰は望ましいですから、本件が解決次第釈放の手続きに入ります」
「・・・感謝します」
フェイトからの回答にトーレはそう言ってから安堵のため息を零した。



「それじゃあ準備はいいですね?」
「ええ、こちらは問題なし。いつでもいけます」
先の司法取引から数日後、フェイトはトーレを連れて件の研究施設にやってきた。
現地局員によって厳重に封鎖された入り口の前で二人は突入前の最終チェックを行う。
フェイトはいつものバリアジャケット姿で相棒のバルディッシュ・アサルトの動作確認を。
トーレは先の事件で着ていたナンバーズスーツに身を包み、スーツを含め各部に異常がないかを確認。
共に問題が無いことを確かめた二人は改めて扉の前に立つ。
先日の面会室の防護扉よりも遥かに強固な隔壁は外からの侵入者を阻むための物か、実験体の逃走を阻止するための物か・・・。
どちらにしろ内部が危険で満ちていることには変わりはない。
フェイトは気を引き締め直してから待機している局員に言葉をかけた。
「それでは突入します。通信が途絶してから24時間立っても連絡がない場合は本局に指示を仰いでください。けして無理な救出活動は行わないように、二次被害の危険があります」
「了解しました。ご武運を・・・」
その言葉にフェイトは頷くとトーレを伴って内部に足を踏み入れた。



「はぁぁっ!!」
フェイトの斬撃がガジェットを両断する。
「ライドインパルスっ!!」
ISを起動したトーレが超高速で飛び回り、インパルスブレードでガジェットを引き裂いて回る。
突入から3時間が経過していたが二人は遅々として進んでいなかった。
「まさかトーレが一緒にいてもだめだなんて・・・」
「どうやら一人でも未登録の者がいると防衛機構が作動するようプログラムされているようです」
現れるガジェットはフェイトとトーレ、双方に無差別に襲い掛かり、二人は応戦を余儀なくされていた。
「しかし不思議な気分だ。かつて戦ったフェイトお嬢様と共闘することになるとは・・・」
「そうですか?わたしは平気ですけど?」
かつて自分となのはがそうであり、はやての守護騎士達の一件もありフェイトは敵対した相手との共闘というものには抵抗がなかった。
「そうでしょうか?しかし確かに、悪いものではない・・・」
「そうですね、フフッ・・・」
二人は互いに笑い合うと改めてガジェットに向き直る。
「それでは、先を急ぎましょう」
「同感です。まだまだ先は長いですから・・・!」
その後も二人は息の合った連携でガジェットを蹴散らしていく。
漸く最後の一体を破壊したところでトーレがつぶやいた。
「・・・これは、不味いな」
「え?いった言何が・・・?」
フェイトがそう聞いた直後、バルディッシュから新たな報告が飛ぶ。
『サー、前方より新手です、総数60。後方からも接近、総数50』
「なっ!?」
今二人がいるのは長い一本道の通路、前と後ろから挟撃された形となった。
しかも今度の敵は非常に数が多い、高濃度のAMFも相まっていっぺんに攻撃されては防ぎきれないだろう。
「やり過ごすしかないな。こっちです」
そう言ってトーレは手近な扉を開け中に入る。
フェイトが部屋に飛び込み、扉を閉めるのと、二人が直前までいたエリアがガジェットのセンサー圏内に入ったのは同時だった。
「どうやらうまくいったみたいですね」
侵入者が発見できなかったガジェットたちは所定の巡回ルートに戻っていった。
「ええ、しかしココから出ていけばまた先ほどの状態に逆戻りでしょう。何か手を打たなければ・・・」
そう言ってトーレは部屋を見渡した。
そこは戦闘機人の製造プラントなのだろう。
壁一面に生体ポッドが並びそれは今も尚稼働可能状態にあった。
「これは、使えるかもしれないな・・・」
「何か策があるんですね?いったいどうやって・・・?」
外のガジェットを警戒しながらフェイトはトーレに聞いた。
「はい、フェイトお嬢様。貴女にはナンバーズになってもらいます」
機械を操作しながら答えるトーレが答えたのと生体ポッドのシリンダーが開いたのは同時だった。
「わっ、私がナンバーズにって何を言って・・・!?」
トーレの突然の宣告にフェイト狼狽する。
「順を追って説明しましょう。この研究所は私をはじめナンバーズの初期ロットの機体が製造された施設、製造過程で個体認証登録も自動で行われるようになっています。ここまではよろしいですか?」
確認するトーレにフェイトは頷く。
「つまり感情はそのままにフェイトお嬢様の身体をナンバーズに改造すればその過程でお嬢様はナンバーズとして施設に登録されガジェットたちの攻撃は停止するでしょう。その間に最深部に進入し施設の機能を掌握するのです」
「その、理屈は分かりましたけれど・・・大丈夫なんですか?元の身体に戻れなかったりとかは・・・」
このままナンバーズのまま、そんな状態になってしまったら・・・フェイトは不安を隠せないでいた。
「その点はご心配には及びません。ナンバー13を思い出してください、ナンバーズへの改造を受けた後にレリック等は取り外され以前の状態に戻りました。同様にお嬢様も元に戻せます」
「・・・その言葉、信じていいんですね?」
未だ不安が残るのか、なおも確認するフェイト。
「それはあなた次第です。ですがここも何時まで隠れていられるかわかりません、時間は限られています」
「うっ・・・」
トーレの言う通り、今ガジェットたちは辺りの部屋を手当たり次第に調べて回っているはずだ、ここが見つかるのも時間の問題だろう。
「・・・わかりました、お願いします」
ほかの手段も思いつかず、フェイトは不承不承ながらトーレの提案に乗った。



「いかがですか?フェイトお嬢様・・・」
「う、うん。サイズは問題ない、けれど・・・」
トーレからの声にフェイトは自身の身体を見下ろした。
身体にフィットした青と紫のボディスーツ・・・。
それは今トーレが着ているのと同じ、ナンバーズの戦闘服てある。
身体を戦闘機人に改造する過程で身体のデータが必要となり、急遽ここの設備でフェイト用のスーツを製造したのである。
それをトーレから受り羞恥心から来る躊躇いを抑え込みながらフェイトはスーツに着替えた。
(うぅ、恥ずかしい・・・)
全身をピッチリを包むラバースーツの光沢にフェイトの羞恥心は更に強くなる。
スーツの上から身に着けたプロテクターに視線を向けると、胸元のプレートには数字ではなく刻印された黄色い『F』のアルファベットがあった。
自分がプロジェクトFの遺産故か、ただ名前の頭文字から取ったものなのか・・・。
トーレのポーカーフェイスからは彼女の内心を読み取ることはできなかった。
「時間がありません、データ収集と改造は並行して行います。急いでポッドに入ってください」
「う、うん・・・」
未だ不安が払拭されぬまま、フェイトはトーレに促され生体ポッドの中に入った。
シリンダーが閉じ、ポッドの中が閉鎖されるとフェイトの不安は更に大きくなる。
「培養液を注入します。最初は苦しいかもしれませんが我慢してください」
「えっ?あっ・・・」
フェイトが答える間もなく、トーレはポッドを起動させる。
足元から培養液が湧き出し、見る見るうちにフェイトの身体が沈んでいく。
「んっ、ゴボっ・・・!」
肺に液体が流れ込み苦しむフェイトだったが、直ぐに肺が満たされ、外と同じように呼吸が可能になった。
「大丈夫ですか?フェイトお嬢様」
手を休めることなく淡々と聞いてくるトーレ。
「ええ、問題ありません」
「・・・少し緊張しているようです。心境は理解できますが今は私を信じてください」
トーレにそう言われて、フェイトはある事に気づきハッと息を呑む。
(私は、まだトーレを信用してなかったの・・・?)
この胸にわだかまる不安、その根底にあるのはいまだに残るトーレへの不信。
そのことに気づきフェイトは深く自分の考えを悔いた。
ガジェットを相手に共に肩を並べ戦った時、トーレとの間に感じた確かな信頼・・・。
それはフェイトにとってもとても心地よく頼もしいものだった。
(そうだ、思い出せ。彼女は、トーレはもう敵じゃないんだ)
愚直なまでにまっすぐで、自分を表現するのが苦手で、妹の事を大切に思う・・・そんなトーレに、この身を預けよう。
フェイトは培養層の中で一度大きく深呼吸をするとトーレに言った。
「もう大丈夫です。始めてください」
その言葉にトーレもうなずく。
「分かりました、それでは改造を開始します」
そう言ってトーレがパネルを操作するとポッドの中が若干泡立つ。
(始まった・・・)
これから自分は戦闘機人に、ナンバーズになる・・・。
それがわずかな間とは言え、やはり完全には不安はぬぐい切れない。
それでもトーレを信じると決めたフェイトはそれ以上動じることはなかった。
それに・・・。
(ナンバーズになるってことは・・・私、トーレと姉妹になるんだ・・・)
フェイトはナンバーズになった自分とトーレの姿を想像する。
ナンバーズの序列で言えば間違いなくトーレが姉だろう。
確かトーレと行動を共にしていたセッテは彼女をなんと呼んでいただろうか・・・。
(トーレ姉様、か・・・悪くないな)
そんな事を考えているうちにフェイトの思考は闇の中へ堕ちていった。



「・・・お許しください、フェイトお嬢様」
フェイトが眠りについたのを確認すると、トーレはそうつぶやいた。
その間にも彼女の指は操作パネルを叩き続け、フェイトの身体は順調に改造されていく。
マイクロマシンの投与による肉体強化。
内臓をはじめとした重要部分を機械化。
そして記憶の操作と改ざんである。
トーレはフェイトに感情は操作しないと説明した。
しかし記憶に関しては操作しないとは一言も言っていない。
人の心とは生まれ育った環境、過去から現在に至る過程で培ってきた経験によって形成される。
つまりフェイトの記憶・・・経験した過去を作り替えれば感情の方は手を加えずとも自然に記憶に引きずられてそれに見合った形に変質するのだ。
最初はトーレもこのようなことはせず、ただ肉体の改造と施設への登録だけで済ますつもりだった。
しかし準備を進めているうちに、彼女の心はフェイトを本当のナンバーズに改造するよう望むようになった。
これがスカリエッティから受け継いだ彼の因子によるものなのか、それとも偽りない自分の本心なのかは分からない。
しかしトーレの心がフェイトを渇望するのは変えようのない事実であった。
(フェイトお嬢様がナンバーズ、私の妹に・・・フフッ)
気が付けばトーレは口元に笑みを浮かべていた。
それは今まで彼女が浮かべたことのない淫靡な笑み。
これまで考えもしなかった可能性、フェイトが妹に・・・自分のものになるという未来を創造するとトーレは笑いが止まらなかった。
(こんな感情は初めてだ・・・これが、『愛』という感情なのだろうか・・・)
かつてスカリエッティから教わった他者に対する感情の一つ。
一度セッテの教育係になった直後に似たような感情を抱いたことがあったが、ここまで強く思ったのは初めてだった。
(そうだな、この任務が終わってセッテが釈放されたら・・・三人でいろいろ話してみたいな。姉妹三人で・・・)
未来に胸を膨らませながら、フェイトの改造を順調に進めるトーレ。
一方、ポッドの中のフェイトは眠りについた状態で次第に記憶を改変されていく。
(あれ?わたしは、一体・・・誰だっけ?今何を、してるんだっけ・・・?)
マイクロマシンによって脳も電脳化されていき、記憶野・・・メモリーバンクの中身を書き換えられていく。
(思い出せない。でも、あぁ・・・キモチ、いい・・・)
しかし表層意識は眠りにつき、深層意識も生体ポッドの洗脳装置から与えられる快感に包た彼女は、抵抗も拒絶もすることなく、新たな記憶を受け入れていく。
(キモチ、いい・・・思い出すと、キモチいい。『私』になるの、とてもキモチいい・・・)
ある記憶は削除され、ある記憶は改変され、フェイトの記憶と心は次第に別の物に作り替えられていく。
そう、大切な思い出も、大切な人の名前も・・・。
(トーレ・・・ねえ、さま・・・)
そして数時間後、ようやくすべての工程を終え、フェイトの改造が完了した。
培養液が排水されると上から洗浄液が降り注ぎ、残った培養液を洗い流す。
次いで吹きかけられる温風が洗浄液を吹き飛ばすと、空気の抜ける音と共にシリンダーが開かれる。
ポッドが完全に開放された直後、今まで閉じられていたフェイトの瞼が開かれた。
その瞳は本来の紅ではなくトーレと同じ、戦闘機人特有の金色に輝き、その奥では増設されたセンサーアイが小刻みにピントを調節しているのが見えた。
目覚めてから一向に口を開かず、感情の抜けた機械の様な無表情を貫くフェイトであったが、トーレを目にした途端、その表情は笑みへと変わった。
「・・・おはようございます、トーレ姉様」
「ああ、おはよう、フェイト・・・」
それに対するトーレの表情も、慈愛に満ちた、穏やかな笑みをたたえていた。
「今回の改造で記憶に問題が出ているかもしれん、いくつか確認するがいいか?」
「はい、構いません」
トーレの言葉にフェイトは異を唱えることなく従う。
「ではお前は何者だ?」
「はい、私はドクタースカリエッティに生み出された戦闘機人、ナンバーズの特別製造ロット機であり、同時にプロジェクトFの概念実証機・・・『ナンバーF』です」
「製造されてから現在に至る経緯も聞いておこう」
「了解です。製造後トーレ姉様より戦闘訓練を受け、その後ロストロギア『ジュエルシード』の調査の為にプレシア・テスタロッサの元に派遣、時空管理局の介入後は管理局の内情把握とドクターの研究に有益な素体の捜索のために意図的に管理局の保護下に入り、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと言う偽りの身分を演じながら今に至ります」
「ドクターの決起・・・J.S事件の際はどうしていた?」
「タイプ・ゼロシリーズやプロジェクトFの残滓、聖王のクロ―ンの動向把握のために機動6課に潜伏していましたが6課の行動があまりに早く、私が行動を起こす前にドクターたちが捕縛、そのまま潜伏しドクター救出の機会をうかがっていました」
さすがに全ての記憶を作り替えては今後周囲とのコミュニケーションで怪しまれる可能性がある。
故に変更するのは記憶の一部であり、植え付けるのは以前の記憶と整合性のとれる内容の物に限定した。
そして書き換えるのはフェイトという少女を形成するうえで最も重要な部分・・・彼女の出自、誕生に関わる部分だ。
それを改変することでフェイトの価値観、行動理念、彼女の戦う理由・・・それらは大きく変貌を遂げた。
母プレシアへの愛情はスカリエッティへの崇拝に、執務官としての正義感はナンバーズとしての誇りと人間に対する優越感に置き換えられた。
「さて、それでは私の方も急いで終わらせよう。ぐずぐずしていると管理局の連中に怪しまれるからな」
フェイトの記憶では今回の調査は自分たちのアップデート、そして功績によるトーレとセッテの司法取引による釈放の為にフェイトが仕組んだ作戦と言う事になっている。
「すでにデータは入力済みだ、後はお前が実行してくれ」
トーレはフェイトにそう言って、先ほどまで彼女がいた生体ポッドに入る。
「はい、かしこまりました姉様」
フェイトもそう返事すると操作パネルをタッチして再び生体ポッドを起動させる。
シリンダーが閉鎖され、内部が培養液で満たされる。
(フェイトお嬢様、せめてもの贖罪です。これから先、貴女の事は私が・・・)
意識がシャットダウンされる直前、トーレは心の中でそうつぶやいた。



「どうですか姉様?」
「ああ、頗る良好だ。やはり拘置所ではまともなメンテナンスは受けられないからな・・・」
軽く体を動かしながらフェイトに答えるトーレ。
既にトーレ自身は忘却しているが、彼女の記憶も改変が為されている。
フェイトに関する記憶に彼女と同様の内容を上書きした。
これでフェイトは完全にナンバーズに、トーレの妹となったのである。
「それじゃあ表向きの任務も済ませてしまわないとな、行くぞフェイト」
「はい、トーレ姉様」
扉を開き外に出るトーレとフェイト。
廊下に出た直後、巡回中のガジェットドローンと遭遇するがガジェットは二人の姿を確認しても何ら反応することなく、施設の巡回を続けた。
それはまぎれもなくフェイトがナンバーズとして完成し、この研究所に登録された事を意味していた。
それからは一切の障害はなく、あっけないほどあっさりと二人は中央制御室に到着した。
「よし、私は施設をセキュリティを掌握する。フェイトは管理局の連中に・・・」
トーレがフェイトに指示を出しながら、機器を操作しようとしたとき・・・。
「あの、姉様・・・?」
後ろからフェイトに声をかけられた。
「ん?」
トーレが振り向くとフェイトの様子がおかしいことに気づいた。
顔を赤らめ、身体をモジモジさせながらこちらを上目遣いに見ている。
トーレは妹のこの仕草の意味を知っていた。
「フェイト・・・」
「その、せっかく久しぶりに二人きりになれたんだし・・・久しぶりに、姉様と、シたいです・・・」
記憶の改変により、フェイトの心は全く別の者へと変質した。
母リンディや兄クロノといった家族や、次元世界の平和などもはや守ろうとも思わない。
彼女が守りたいのは創造主たるスカリエッティとナンバーズの姉妹達だ。
親友である高町なのはとの友情ですら、任務のための演技。
彼女が一番心を寄せる存在、愛する存在は姉のトーレに他ならない。
なのはに対する絆や友情もまた中身を抜き取られた形だけの作り物に変えられ、その中身は姉であるトーレとの淫欲に塗れた姉妹愛へと注がれた。
そしてそれはトーレも同様である。
トーレにとってフェイトは護り導く妹であり、鍛え磨く教え子であり、この世の誰よりも愛おしい最愛の恋人であった。
「・・・全く、任務中に色気づくなんて・・・いけない子だ」
そう言いながらもトーレは口元に微笑を浮かべていた。
「悪い妹には、お仕置きが必要だな?」
フェイトを抱き寄せるトーレ。
互いの身体が密着し、ラバーの被膜越しに乳首や秘所がこすれ合う。
「んっ・・・はい、トーレ姉様。私をいっぱい調教してください・・・」
姉妹の唇が重なり合い、トーレに押し倒される形で二人は横になる。
二人が施設を掌握し、管理局部隊との連絡が回復したのは彼女たちが突入してから23時間後の事だった。



「最後の手続きが終わりました。これであなたは自由の身です」
「そうか・・・」
ミッドチルダの首都、クラナガンの一角にあるマンションの一室でフェイトはトーレに現状を説明している。
先の施設調査の実績もありトーレはフェイトの保護観察付きという条件の下保釈、それもつい先ほど終了し、完全に釈放となった。
「セッテに関しても事務処理は滞りなく進んでいます。今週中には釈放されるでしょう」
「重ね重ね感謝する」
彼女の働きもあり約束通りセッテも近日中に釈放され、未だ収監されている他のナンバーズやスカリエッティに関しても今後なにがしかの捜査協力があれば刑期の短縮が約束された。
「今後も何かあれば協力しよう。ドクターや残った姉妹達の説得も含めてな」
「よろしくお願いします。ところで・・・」
状況説明が終わったところでフェイトが話を変える。
「ん?」
「部屋のスキャンは完了しています。盗聴も外からの監視もありませんよ、トーレ姉様」
フェイトがそう言うとトーレは鉄面皮を崩す。
「フッ、そうか」
そう言うと二人は意識を切り替える。
時空管理局の執務官とその民間協力者からナンバーズのナンバーⅢとナンバーFへと。
「妹達やタイプゼロ達の処置は?」
「施設の方は問題ありません、休暇を取った者から順に理由をつけてあそこへ連れていき処置します。タイプゼロの2機を含め3か月以内には全員がナンバーズとして再調整されるでしょう」
「では後はドクター達か」
「そちらも問題なく。すでに犯罪組織にドクターの研究成果の一部を掴ませました。近々行動を起こすようなのでせいぜい私達の手柄になってもらいましょう」
彼ら犯罪組織がスカリエッティの遺産を使って事件を起こせば否が応にも創造者であるスカリエッティやナンバーズの協力が必要になる。
そして事件が解決されればそれは彼らの功績となり、刑期は大幅に短縮されるだろう。
我らが創造主が活動を再開するための下準備が既に整えられていた事を知り、トーレは妹の手際の良さに舌を巻く。
「お前は働き者だな、フェイト」
そして、彼女はフェイトが精力的に働く理由もすでに理解していた。
「これは、頑張ったご褒美が必要だな。お前もそれが望み何だろう?」
「フフッ、お見通しですか?」
そう言ってフェイトは制服のボタンをはずす。
黒い執務官用の制服の下から現れたのは肌ではなく青と紫のラバー・・・。
「当然だ。かわいい妹の事なら何でも知っているさ・・・」
トーレも同様に着ている服を脱ぎ始める。
服の下から除くのはやはりラバーの被膜。
一足先に脱ぎ終えたトーレはフェイトの服を一枚一枚脱がせていく。
ジャケットが、スカートが、ブラウスが床に落ちた時、そこにいたのはナンバーズスーツに身を包んだトーレとフェイトだった。
「きれいだ、フェイト・・・」
トーレは背後からフェイトを抱きしめる。
67636747_p0.png
「んっ、ねぇさま・・・」
「・・・」
トーレがフェイトの股間に触れると『クチュリ』と湿り気のある音が鳴る。
「フフッ、こんなに濡らして・・・イヤラシイ子だ・・・」
「もぅ、姉様だって興奮しているじゃないですか。姉様の乳首、カチコチですよ?」
背中に感じる姉の乳首の固い感触にフェイトは妖艶な笑みを浮かべる。
「フェイトがいけないんだぞ?お前がこんなにも愛らしいから・・・期待が膨らんで張り裂けそうだ」
「・・・私もです。姉様が愛おしくて、興奮でおかしくなっちゃいそう・・・」
トーレはフェイトを抱いたまま彼女を見つめ、フェイトも姉に身を委ねながら見つめ返す。
絡み合う視線は次第に熱を帯び、同時に体温と息遣いも熱く、荒くなっていく。
「今夜は眠らせないぞ、フェイト・・・」
「はい、壊れるまで・・・私を愛してください。トーレ姉様・・・」
姉妹は唇を重ね合うと、抱き合ったままベッドへ向かうのであった。
再び訪れるであろう祭りの時、その前夜祭は誰にも知られることなく始まり、二人が果てるまで続いた。


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