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IF STORY 結ばれる二人

 【18//2016】

前回の記事で今日中に投稿するといったな、あれは嘘だ。
ゴメンなさい調子乗りました、SLB撃たないでください。
本来6課攻略シリーズの続きを投稿しようと思っていたのですがよく見ると今回で投稿した記事が14件になるんです。
ナンバーⅩⅣ・・・これはナンバーズ化スバルの物を上げねばと思い急遽書き上げました。
突貫作業で執筆したので誤字等あるかもしれませんがご了承下さい。
内容はナンバーズ化スバル&スバ×ノヴェ構想で考え付いた候補の一つ、J.S事件の最中にノーヴェと恋人同士になったスバルが自発的にナンバーズの一員になるというものです。
エロ要素はほとんどありませんが楽しんでいただけたら幸いです。

誤字修正しました、まだ残っていましたらご連絡下さい。




迸る蒼き閃光、吹き荒れる魔力の奔流・・・。
「かえせ・・・!」
薄暗い地下室で彼女、スバル・ナカジマは力の限り叫んだ。
「ギン姉をっ、返せぇぇぇっっっ!!!」
同時に疾駆するスバル。
視線の先には紫と青のボディスーツに身を包んだ三人の少女、そして・・・。
彼女達に拘束された瀕死の姉、ギンガ・ナカジマの姿があった。



「ぐぁっ・・・!」
スバルの強烈な拳の一撃を受けた少女、戦闘機人『ナンバーズの』ナンバーⅤ、チンクは後方に吹き飛ばされた。
彼女達ナンバーズの目的は敵対する時空管理局、その地上本部を襲撃しその混乱にまぎれて『タイプゼロシリーズ』と呼称される戦闘機人、ギンガとスバルを捕縛する事だった。
3対1でギンガを戦闘不能にし、目的の半分が成功したところでスバルが現場に到着、姉の惨状を目の当たりにし、感情を爆発させたスバルが力を暴走させ固有能力であるインフューレントスキル、『振動破砕』を付与された攻撃の前に不利を悟ったチンクは妹であるナンバーⅨノーヴェとナンバーⅩⅠウェンディにギンガを連れて撤退するよう指示し、自分は時間稼ぎのためにスバルとの戦闘を再開した。
チンクは善戦したが相手が悪かった。
触れた対象に強力な振動波を送り込むスバルの『振動破砕』は戦闘機人にとってこれ以上内脅威である。
シールド越しに浴びせられる振動波にチンクの身体はジワジワと破壊され、結果最後の一撃を受け止められず吹き飛ばされてしまったのだ。
二度三度と床の上を跳ねながら何とか止まった彼女は対峙するスバルを見る。
涙を流しながら悪鬼のような形相で自分達を攻撃するスバル、しかし彼女にとってチンクは既に眼中に無かった。
スバルの視線の先、拘束したギンガをつめたケースを運ぶナンバーⅩⅠウェンディとそれを護衛するナンバーⅨノーヴェは既に戦場からだいぶ離れ、スバルには彼女達がとても小さく見えた。
「ギン姉っ!」
姉の名を叫びそれを追おうとするスバル。
「行か、せん・・・っ!」
彼女の意識がギンガに向いている今が最大の、そして最後のチャンスと判断したチンクは行動を開始する。
スバルの攻撃を何度も受け、既に満身創痍の身体に鞭打ちながら、スバルに向かって残った投擲武器『スティンガー』を投射する。
チンクのインフューレントスキル『ランブル・デトネーター』により爆発物に変換されたスティンガーはスバルに命中するや火球へと変わる。
攻撃に手ごたえを感じたチンクであったが、噴煙の中から現れた影に、彼女は絶句する。
「かえ、せ・・・ギン、姉を・・・」
バリアジャケットはボロボロ、肉体もいたるところから出血し、傷口から機械部品が露出するほどの重傷を負いながらもスバルは幽鬼のような足取りでチンクに迫る。
これまでかと死を覚悟したチンクであったが彼女の目の前まで来たところでスバルは膝を屈し、そのまま倒れこんだ。
彼女もチンクの必死の攻撃にダメージを蓄積し、先程の一撃でついに限界を超えてしまったのである。
「ギン、姉・・・」
最後まで姉の名を呼びならスバルは意識を失った。
「セインさん参上って、大丈夫なのチンク姉!?」
そう言って突如壁の中から現れたナンバーズの潜入担当、ナンバーⅥセインはボロボロになった姉チンクの姿に声を上げる。
「セインか、ぐっ・・・スマン、さすがに動けない。そこに倒れているゼロセカンド共々運んでくれ」
「う、うん。分った・・・!」
そう言ってセインはまずチンクを背負う。
妹の背に身を委ねながらチンクはセインに抱きかかえられたスバルを見る。
先程戦っていた時に放っていた憤怒や憎悪といった感情は霧散し、目じりに涙を溜めたその表情はまるで迷子の子犬のようだった。
(すまない、恨んでくれ。だが私達にもやらねばならない事があるんだ・・・)
胸の内でスバルに謝罪するチンクは疲労が限界に達し、彼女の意識は闇へと落ちていった。



スバルが最初に感じたのは浮遊感だった。
(何だろう、とってもフワフワする・・・水の、中?)
まるで水中に居るような感覚だが不思議と息苦しさは感じない。
(変な感じ、でも何だか懐かしく感じる・・・)
まるで赤子に戻って母の胎内にいるような、そんな奇妙な安息間を彼女は感じていた。
次第に意識も明瞭になり、瞼を開けるとそこはやはり何かの液体の中のようだ。
(これは、生体ポッドの中?)
所属する機動6課で何度か目にした資料を思いだしながらスバルは左右を見る。
そこには同様のポッドが並んでおり、左には彼女が交戦した戦闘機人の少女の一人、銀髪の小柄な少女が入っている。
そして右のポッドには・・・。
(ギン姉ッ!!)
戦闘機人達に攫われた姉、ギンガ・ナカジマの姿があった。
生まれたままの姿の姉に目立った外傷は無かった。
最後に見たときに切断されていた左腕も包帯が巻かれ、見た目は問題ないように見える。
(ギン姉やあの子がいるって事は私もあの後攫われたって事だよね・・・)
攫われた姉や、実行犯である少女が左右にいることからココが管理局の施設でない事は明らかだ。
(何とかここから出て、ギン姉と逃げなきゃ・・・)
スバルが脱出の算段を考えていると、部屋の扉が開き三人の人影が部屋には行ってきた。
「ほぅ、意識が回復した者がいると思ってきてみたが・・・君が最初だったか」
薄暗い室内で顔は分らなかったがその声から入ってきた人物の一人は特定できた。
「ジェイル、スカリエッティ・・・」
「その通り、始めましてといっておこう、タイプゼロ・セカンド。いや、それともスバル・ナカジマと呼ぶべきかな?」
照明の下にやってきた人影は紛れも無く自分達が負っている次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティだった。
スバルはあらん限りの敵意をこめてスカリエッティを睨む。
「おやおや、怖い顔だ・・・」
そう言いながらも微塵もおびえた様子の無いスカリエッティはわざとらしく肩をすくめて見せる。
「私を、ギン姉をどうするつもり!?」
胸の奥で大きくなっていく不安や恐怖を隠しながらスバルはスカリエッティに問う。
スカリエッティとは異なる組織が生み出した戦闘機人タイプゼロシリーズであるギンガとスバル。
彼が二人に興味を持ったのも当然の帰結といえるだろう。
データ収集のために何をされるのか?
目の前のマッドサイエンティストにどのような目に合わされるのかと言う恐怖がスバルの心をジワジワと侵食して行く。
出来る事ならこの生体ポッドを叩き割り、スカリエッティを拘束したいがそれも叶わない。
先程の戦闘による後遺症なのか、身体に力が入らない。
(仮にポッドを破壊しても・・・)
そう心で呟きながらスバルはスカリエッティの後ろにいる二人を見る。
性別は両方女性、恐らく戦闘機人だろう。
一人はウェーブのかかったすみれ色の髪の女性。
秘書のような格好から戦闘向きではないのだろう。
問題はもう一人、戦闘機人用のボディスーツを身に纏った長身の女性・・・。
紫色のショートヘアに鋭い眼光、力強さとしなやかさを兼ね備えた体つきからかなりの手練であると一目で分った。
今の状態の自分達では勝ち目が無いのは明白、スバルは現状に絶望を覚えた。
しかし・・・。
「ふむ、特に何もするつもりは無いが?」
「・・・へっ?」
帰ってきたのは予想に反する回答だった。
「確かにタイプゼロシリーズである君達に興味があるのは事実だ、しかし君が想像しているような苦痛を伴う実験は行わないさ。非効率極まりない、そんな事をするくらいなら素直に君達に協力を仰いだほうが建設的だからね」
スカリエッティの返答にスバルは不安げに聞く。
「本当に、本当に私達には・・・」
「約束するよ、多少データ収集に協力はしてもらうが君達姉妹の生命と尊厳は保障しよう」
未だ信用できないスバルではあったが、現状打つ手が無い彼女に選択肢は無かった。
「・・・分った」
こうしてナカジマ姉妹とスカリエッティ達との奇妙な共同生活が始まった。
まずスバルが驚いた事は行動の自由が与えられた事だ。
必ず監視にナンバーズが最低一人付くが、転送ポートを除いた施設のあらゆる場所に出入りする事が可能だった。
そのナンバーズにしても監視と言うより同行者といったほうがいい対応だった。
スバルのほうも最初こそ警戒していたもののナンバーズ達に対して次第に心を開いていった。
このように多少態度に個人差はあれどスバルと彼女達の関係は概ね良好だった。
一人を除いて・・・。
「・・・」
「・・・・・・」
その唯一の例外、ナンバーⅨノーヴェと隣り合いながらスバルは通路を歩く。
「・・・えーと、あのさ」
「んだよ、ゼロ・セカンド」
スバルが声をかけるとノーヴェは忌々しげな表情で振り向く。
呼び方もそうだ。
今ではスカリエッティやほとんどのナンバーズが彼女の事をスバルと呼ぶのに、ノーヴェは未だに彼女の事をタイプゼロ・セカンドと呼んでいる。
「その呼び方、私はタイプゼロじゃ無くてスバルだよ」
「フンッ、お前なんてタイプゼロで十分だろ」
「よくないよ!何でそんなに怒ってるのさ!?話してくれなきゃ分んないよ!」
「テメェには関係ないだろっ」
「関係あるよ!他のみんなみたいにノーヴェとも仲良くなりたいのに・・・」
そこまで言いかけたときスバルはノーヴェから膨れ上がるような怒気と殺気を感じた。
「・・・いいぜ、来いよ。あたしの怒りの理由を教えてやるから」



ノーヴェに連れられてやって来たのは訓練場だった。
普段ナンバーズ達がシミュレーション空間で文字通り戦闘訓練を行う場所だ。
スバルも既に何度かデータ収集のためにつれてこられた経験がある。
「ほらよっ」
ノーヴェから投げ渡されたそれを受け取るスバル。
「これは、マッハキャリバー!?」
それはここにつれて来られて以来取り上げられていた彼女のデバイス、マッハキャリバーだった。
「大丈夫だった?!」
『私は問題ありません』
相棒の言葉にスバルは息を撫で下ろした。
「こっちは待ってんだ、さっさとデバイスを起動しろ」
あいも変わらず不機嫌なノーヴェの声にスバルは振り向く。
いつの間にか彼女は腕にガンナックル、両足ジェットエッジといった完全装備の状態でいた。
「ま、待ってよ!何をするつもりなの!?」
「決まってんだろ、テメェとやりあうんだよ」
苛立たしげに拳を構えるノーヴェ。
「そんな・・・どうして」
「テメェにその気が無くてもな、アタシはテメェをぶちのめしたくてしょうがないんだよっ!!」
その言葉と同時にノーヴェはスバルに向かって疾駆する。
「なっ・・・!?」
「うぉらぁっ!」
運動エネルギーと遠心力によって威力を増された回し蹴りがスバルを打つ。
直撃を受けたスバルはそのまま壁まで吹き飛びその身を壁に強かに打ちつけた。
肩で息をするノーヴェ、彼女が見たのはもうもうと立ち込める粉塵の中から立ち上がるスバルだった。
彼女が身にまとうのは純白のバリアジャケット、どうやらギリギリの所でデバイスを起動させたらしい。
「ゴホッゴホッ・・・!」
腹部に受けた衝撃に咳き込むスバルをノーヴェは追撃する。
とび蹴りから入り、拳、肘打ち、膝蹴りと考え付く限りの打撃がスバルに加えられる。
スバルも必死に受け、防ぎ、いなしてはいるが、猛烈な連撃にジワジワと後退を強いられていた。
「チンク姉をボロボロにしたテメェが、のうのうとアタシの前に立ってることが、何より気安く話しかけてくることが許せないんだよ!」
他の誰よりも自分を気にかけてくれた姉、チンク。
彼女がスバルとの戦いで大破したと聞いたノーヴェは強い衝撃を受けた。
それが次第にスバルに対する憎しみに変わり、ついに爆発したのである。
しかしノーヴェは考えもしなかった。
怒り蓄積させていたのは自分だけではなかった事を・・・。
「・・・・・・・・っ!!」
突然の衝撃にノーヴェは一瞬意識を失った。
スバルに留めの一撃を加えようとした直後、彼女は何かに吹き飛ばされ反対側の壁に激突した。
「ぐっ・・・なにが・・・」
混濁する意識の中、何とか立ち上がったノーヴェが見たものは一直線に突撃してくるスバルの姿だった。
「ガハッ・・・っ!!?」
スバルの拳がノーヴェを打つ。
大きく仰け反るノーヴェにスバルの打撃が降り注ぐ。
それは先程の光景を立場を逆にして焼きなおしたようだった。
「・・・で」
一つ違いがあるとすれば、スバルの放つ一撃一撃がノーヴェのそれを上回っている事だろう。
重く、鋭く、凶暴な、まるで怒りと憎しみを凝縮したような一撃に、ついにノーヴェは倒れこむ。
そんな彼女に更なる一撃を加えるべくスバルはノーヴェの上に馬乗りになる。
「ふざけないで・・・」
鬼気迫るスバルが拳を振り上げる。
「ギン姉をあんなにした奴がふざけたこと言うなっ!!」
振り下ろされる拳。
「ヒッ・・・!?」
ノーヴェは自分に叩きつけられるであろう破壊的な一撃に恐怖し目をつぶった。
直後、訓練場に轟音が響く。
「・・・・・・あれ?」
しかし覚悟していた衝撃も痛みも、ノーヴェは感じる事は無かった。
横を見ると自分の頭のすぐ横にスバルの右腕が突き立てられていた。
その拳は深々と床を貫き小さなクレーターを形成している。
そこでノーヴェは自分の頬にポタリと何かが落ちてくるのを感じた。
視線を戻せば彼女の顔の真上に馬乗りになったスバルの顔があった。
「えっ?」
スバルは泣いていた。
歯を食いしばる彼女の目からは大粒の涙がボロボロと零れている。
「なん、で・・・?」
ノーヴェは理解できなかった。
何故スバルはギリギリの所で拳を反らしたのか?何故彼女は泣いているのか?
「わかんない、わかんないよ・・・!」
スバルは答える。
「でも嫌なんだっ、ノーヴェと戦いたくない。ノーヴェを、傷付けたくないよぉ・・・」
ギンガを傷つけたノーヴェが憎くないわけが無い。
だが彼女と出会った瞬間から、スバルはノーヴェに他人とは思えない何かを感じていた。
その何かが何なのか知りたい、そう思ったからスバルは何度もノーヴェに声をかけたのだ。
しかしノーヴェから返ってくるのは憎悪のみ、スバルにはそれが辛くてたまらなかった。
何より誰かを助ける為の物と信じていた拳をよりにもよってそのノーヴェに振るったことが許せなかったのだ。
ただただ泣きじゃくるスバルをどうすればいいのかわからず、ノーヴェはうろたえる事しかできなかった。
「スバルっ!」
そこで新たにやってきた人物がスバルに声をかける。
その覚えのある声にすばるは振り返る。
「ギン、姉・・・?」
それは自分と共に攫われ、今まで昏睡していた姉、ギンガだった。
恐らく覚醒してからすぐにこちらに来たのだろう、包帯の巻かれた身体にはコートを羽織っているだけだ。
未だ身体の自由が利かないのか、ナンバーⅩ、ディエチに支えられながら部屋に入ってくる。
彼女らの隣にいる人物に今度はノーヴェが口を開く。
「チンク姉?」
ギンガ達と共に入ってきたのはスバルとの戦いで大破し、今までポッド傷を癒していたナンバーⅤ、チンクだった。
彼女もまだ身体が動かないのか、ナンバーⅩⅠ、ウェンディに支えられている。
いつも身に着けているシェルコートは無い、よく見るとギンガが羽織っている寸足らずのコートはチンクのものだ。
「ギン姉ぇぇっっ!!」
立ち上がりギンガに駆けて行くスバル。
そのまま彼女はギンガに抱きついた。
ギンガはよろめくが、ディエチに支えられ、何とか持ち直す。
「スバル・・・!大丈夫だった?」
「うん・・・っ!ギン姉も無事でよかった・・・」
抱き合い互いの無事を喜びあう二人。
その光景にノーヴェは二人が強い絆で結ばれている事を理解した。
同時にそれを自分が奪ってしまうところだった事も・・・。
「チンク姉、アタシ・・・」
犯した罪の重さをその身に感じながら呟くノーヴェ。
「ノーヴェ、姉を案じてくれた事は非常に嬉しく思う。だがな、最初に彼女から姉を奪ったのは私達なんだ。それを忘れてはならない」
チンクの言葉にノーヴェは目頭が熱くなるのを感じた。
「うん、ゴメン・・・」
「フッ、謝る相手が違うぞ」
チンクの言葉に頷いてノーヴェはスバルの前に立つ。
「ゴメン、何にも知らないくせにあんな事言って・・・」
ノーヴェの謝罪を耳にしたスバルはギンガから離れ、ノーヴェと相対する。
「ううん、私こそゴメンね、チンクの事、ノーヴェのお姉ちゃんを傷つけて・・・」
被害者で在るはずのスバルが加害者であるはずのノーヴェを許すどころか自身の過ちを謝罪する。
彼女の優しさにノーヴェの心は堪えきれなくなった。
「わっ!?」
ノーヴェがスバルにぶつかる。
いや、後ろに回された手にスバルは彼女が抱き着いてきたのだとわかった。
「・・・ゴメンなさい、いっぱい、ヒドイことして、ゴメンなさい・・・」
子供のように泣きじゃくるノーヴェをスバルは優しく抱きしめる。
「ノーヴェ・・・。うん、大丈夫・・・大丈夫だよ。私もギン姉も怒ってなんて無いから・・・」
スバルのその姿は泣いている妹をあやす姉そのものだった。



先の一件から更に数日経った。
ノーヴェとの蟠りが解消してからスバルはよく彼女と一緒にいるようになった。
彼女がスバルとギンガ同様、クイント・ナカジマの遺伝子を基に生み出されたと知ってからは更に顕著で傍から見るとまるで本当の姉妹の様に見えた。
ギンガとチンクのリハビリも無事終了し、二人はギンガと共に施設の中を歩いている。
「そう言えばさ、スバルはいつもその格好だな?」
「え?」
ノーヴェに指摘されてスバルは自分の服装を確認する。
時空管理局地上部隊の標準的な茶色の制服だ。
「えっと、変、かな?」
「えっ?あ、いや、変って訳じゃないんだけど。その・・・スバルもこっちを着てみないかなって、ギンガみたいに・・・」
そういわれて今度はギンガを見る。
地上本部襲撃の際、チンクとの戦闘で重傷を負ったギンガ、当然ながら着ていた制服も損傷が激しく処分されてしまっていた。
結果着る物が無くなってしまったギンガは今、ノーヴェ達が用意した新しい服を着ている・・・そう、彼女達が着ている物と同じ青と紫の戦闘服だった。
ピッチリと身体に張り付いたスーツはギンガの引き締まったボディラインを鮮明にしていた。
「その、そんなにジロジロ見ないで・・・」
顔を赤らめ、胸や大切なところを隠すギンガ、しかしその仕草が彼女の魅力を更に引き出していた。
「あぁ、ゴメン、それでそのスーツだっけ、私も着たほうがいいのかな?」
躊躇いがちに聞くスバル。
そのデザインに恥じらいを感じるが、同時に興味があるのも事実だった。
「いや、その・・・無理にって訳じゃないんだ。そのさ、もうすぐお別れだし・・・出切ればもっとスバルと色々思い出作りたいから・・・」
「あっ・・・」
ノーヴェの事場にスバル達は言葉を失う。
間もなくスカリエッティの計画は最終段階に移行する。
古代ベルカの遺産、『聖王のゆりかご』と呼ばれる巨大次元航行艦を起動させ管理局の手の届かない世界に旅立つというのだ。
既にタイプゼロに関するデータ収集は完了している。
約束は果たされ、スバルとギンガはスカリエッティが脱出する際に解放されることとなっている。
しかしそれは同時にノーヴェとの今生の別れを意味しているのだ。
沈黙する一同、この重い空気を何とかすべくスバルは口を開く。
「えっとそうだね、私もそのスーツ、着て・・・」
そこまで言った時、ノーヴェたちナンバーズに招集がかかる。
どうやらゆりかご起動の際に障害になる魔道砲、「アインヘリヤル」襲撃するらしい。
「ゴメン、そう言う訳だからちょっと行って来る。また後でなっ」
そう言って駆け出すノーヴェ。
「ノーヴェ・・・」
忘れていた。
否、ずっと考えないようにしていたのかもしれない。
今の生活が当たり前となってしまったからか・・・。
ノーヴェと別れる、その事実を再認識した時スバルは胸に感じたのは痛みだった。
その痛みの訳を考えながらスバルはノーヴェが見えなくなるまで彼女の背中を見つめ続けた。



魔道砲アインヘリヤル・・・。
凶悪化する魔法犯罪に対抗するという目的で建設された巨大な対空砲だが、その実態はスカリエッティと裏で取り引きしていた地上本部か彼の離反を恐れて建造した対ゆりかご用の兵器である。
その兵器が彼らの思惑通りに使われるのを阻止すべくナンバーズ達はガジェットドローンを率いて各地に配備されたアインヘリヤルを襲撃した。
その結果作戦は概ね成功した。
ミッドチルダ全域をカバーするように建設された三基のアインヘリヤル、その内の二基は黒煙を上げながらスクラップへと姿を変えた。
問題は残る1基、ノーヴェ達の襲撃により当初こそ大混乱に見舞われた防衛部隊であったが、地上本部から駆けつけた対戦闘機人部隊により、戦況は覆されつつあった。
「ノーヴェ・・・っ!」
投影モニターの向こう、アインヘリヤル三号機の周囲で管理局と戦うノーヴェの姿にスバルは息を呑んだ。
防衛部隊こそ叩いたものの、駆けつけた対戦闘機人部隊は非常に厄介な相手だった。
魔法を減衰させるAMF、アンチ・マギリンク・フィールドの影響下で戦闘機人を打倒、破壊する事を目的に編成された彼らが使う武器は魔法ではなかった。
鈍く黒光りする洗練されたフォルムの金属フレーム。
装薬の燃焼ガスにより発射される凶悪な破壊力のタングステン弾。
そう、本来管理局が使用を禁じているはずの質量兵器、銃火器で武装していたのだ。
最早形振り構っていられなくなった時空管理局がついに本性を現したと言う訳だ。
自動小銃から放たれる弾丸にノーヴェ達は防戦一方となっていた。
魔法と違いAMFで弱体化させることが出来ない弾丸は盾になっていたガジェットドローンを蜂の巣にしていく。
さすがのスカリエッティもいつもの笑みは消え、硬い表情で他所に向かわせていたナンバーズ達を救援に向かわせる。
しかし彼女らも本局から派遣されたと思しき精鋭魔道師部隊に阻まれ遅々として進む事が出来ない。
次第に包囲の輪は狭まり、ノーヴェたちがやられるのは時間の問題となった。
(やられる?ノーヴェが・・・?)
そう思ったときスバルは目の前が闇に包まれる感覚に襲われた。
ノーヴェに向けられる銃口、引かれるトリガー、響く銃声・・・。
それらを想像したスバルが感じたのは紛れも無く恐怖だった。
(ノーヴェが、ノーヴェが・・・そんなの嫌だ!)
そしてスバルはスカリエッティに声をかけた。
「ドクター、お願いがあります」



「畜生!ウェンディ、無事か!?」
ガジェットの残骸の陰から向こうを窺いつつ、ノーヴェはウェンディに声をかける。
「まだ無事っス!けど何時まで持つか・・・」
愛用の武装、ライディングボードを盾にする彼女の顔にも焦燥が浮かんでいる。
分断されたナンバーⅧ、オットーとナンバーⅩⅡ、ディードの双子ペアも今のところ無事なようだがそちらもそう長くは持たないだろう。
「とにかく移動だ、向こうにいる双子コンビと合流して体制を・・・」
そこまで言いかけたとき、ノーヴェは自分の近くに何かが落ちてくるのを見た。
細長い缶のような円筒形の・・・。
「・・・ヤバイっ!!」
ノーヴェがそこから飛び退いた直後、投げ込まれた缶、手榴弾が炸裂した。
「ぅ・・・」
朦朧とする意識の中、ノーヴェは自分が気絶していた事に気づいた。
身体は痛むが幸い大した怪我は無いらしい。
咄嗟に跳んだのが幸いし、手榴弾の爆発圏内から逃げおおせたようだ。
それでも未だ視界はボンヤリとし、聴覚もひどい耳鳴りがする。
霞む視界の中でウェンディがこちらに向かって叫んでいる、どうやら彼女が無事のようだ。
そう思った直後、ノーヴェは背後から殴り倒された。
「ガッ・・・?!」
地面を跳ね、仰向けに倒れると無骨なライフルを構えた管理局員がこちらを睨んでいた。
どうやら彼に殴り倒されたらしい。
「・・・て、・・・・・だ」
耳鳴りのせいで未だよく聞き取れないが、どうやら怨嗟の言葉を投げかけられているようだ。
局員は憎しみの篭った眼差しでこちらに銃口を向ける。
(私、死ぬのかな・・・)
定まらぬ意識の中でノーヴェは他人事のように思った。
走馬灯のように浮かぶこれまでの日々。
そして最後に思い浮かんだのはスバルの顔だった。
(最後に、もう一度会いたいな・・・)
そうしてノーヴェは瞳を閉じ・・・。
轟音が彼女の鼓膜を振るわせた。
「・・・・・・・あれ?」
撃たれたはずなのに何も感じない。
不審に思い瞼を開くノーヴェ。
その光景を彼女は一生忘れる事は無いだろう。
「・・・うそ」
吹き飛ばされる局員、そして自分を庇うように立つ誰かの背中。
身にまとうのは全身をピッチリと覆った青と紫のボディスーツであることから最初はナンバーズの誰かが助けてくれたのだと思った。
しかし・・・。
「なんで・・・」
自分と同じくらいの長さの蒼いショートヘア。
スーツの上から羽織られた純白のショートジャケット。
スピナーを高速回転させる黒金色の篭手とマフラーから高熱の蒸気を吐き出す同色のローラーブーツ。
「ノーヴェ、助けに来たよ・・・!」
そう言って振り返った少女、スバル・ナカジマの双眸は金色に輝いていた。



突如戦場に現れたスバルに局員達は困惑した。
拉致されたはずのスバル、彼女がナンバーズと同じ姿で現れ仲間を殴り倒した。
彼女を敵として撃つべきか、それとも洗脳されている仲間として保護すべきか・・・。
逡巡し、動きを止めた彼らをスバルは見逃さなかった。
両足に装着したマッハキャリバーが唸りを上げ疾駆する。
一瞬で彼我の距離がゼロになるとスバルは右腕のリボルバーナックルを硬直している局員に叩き込んだ。
ようやく銃口を向ける局員達だったが既に遅い。
打ち、撃ち、蹴り、駆ける。
そうするたびに局員達の体が中を舞う。
正にストライカーの面目約如のとった光景だった。
「怪我は無い?」
包囲していた局員達を一掃したスバルは改めてノーヴェに問う。
「え?あぁ、大丈夫・・・ってそうじゃなくて!」
意識が明瞭になって来たノーヴェはスバルに食って掛かる。
「何でここにいるんだよ!?」
「え?だからノーヴェを助けに・・・」
「そうじゃねぇ!アタシなんかの為にどうしてこんな真似したんだ!?下手すりゃスバルまでお尋ね者じゃねえか!」
ノーヴェの事場にキョトンとしたスバルだったがようやく合点が言ったのかクスリと微笑む。
「そういうことか、簡単だよ。だって・・・」
スバルは慈愛に満ちた笑みで続けた。
「だってノーヴェは私の大切な妹だもん。お姉ちゃんが妹を助けるのに理由なんて要らないよ」
「なっ・・・!?」
ノーヴェは顔を赤らめながら絶句する。
自分達は姉妹だとスバルは言った。
それはつまり彼女がナンバーズの一員になった事を意味している。
姉妹になれた事そのものは手放しに嬉しかった。
しかしそれは自分達と共に逃亡の旅に参加するという事、家族や仲間といった帰る場所を自ら捨てるという事だ。
「バカッ、なんで・・・アタシなんかの為に・・・っ!」
泣きそうな声で叱責するノーヴェだったが、しかし彼女の言葉はスバルに抱きしめられ中断させられてしまう。
「あっ・・・」
「『なんか』じゃないよ・・・」
スバルの腕が強くノーヴェを抱く。
「さっきノーヴェが追い詰められてる時ね、すごく辛かった。ノーヴェが死んじゃうんじゃないかって思うと怖くて怖くてたまらなかった・・・」
抱きしめられたまま、ノーヴェはスバルの言葉に聞き入っていた。
「そこで漸く分ったんだ。私がノーヴェに感じていた思いの正体が。私ね、ノーヴェの事が好きだったの」
「えっ?」
その言葉にノーヴェの胸がドクンを震えた。
「ノーヴェの事が好きで好きで堪らなくって一緒に居たい、ずっとノーヴェと居たいっておもったの・・・」
「だから・・・」とスバルはノーヴェの目をいて言う。
「だからノーヴェは『なんか』じゃない。私の妹で一番大切な人なんだ」
それを聞いた直後、ノーヴェの目から涙が流れた。
「・・・バカ」
溢れる涙は止まらず、ボロボロと零れた涙は彼女の頬を伝い地に落ちる。
「バカだ、大バカだよ・・・そんな事、そんな事言われたら、もうガマンできないじゃんか・・・」
そしてノーヴェは言わずにいた言葉を、一生胸に秘めたままにしようとしていた思いを口にした。
「私も、大好き。お願い、お姉ちゃん・・・一緒にきて・・・」
「うん・・・」
その願いにスバルは抱擁で答えた。



抱き合うスバルとノーヴェ。
その二人を見たウェンディは彼女達の問題が解決したのだと理解した。
「ヤレヤレ、一件落着っすかね?」
苦笑するウェンディに否定の言葉がかけられる。
「残念ながらそうは行かないようです。新手が接近しています、警戒を」
敵を掃討し、上空から警戒していたディードたちが警報を発する。
示された方向を向けば重厚な装甲車を先頭にした車列がこちらに向かって来る。
新手に対し身構える戦闘機人達、しかし・・・。
「え・・・?」
スバルは接近してくる車両の部隊章を見て目を見開いた。
『108』と刻印された車両はスバル達の20メートル手前で停車した。
そしてその指揮車から降りてきたのは・・・。
「父、さん・・・」
陸士108部隊指揮官にしてスバルとギンガの父親、ゲンヤ・ナカジマだった。



「その反応からして洗脳されてる訳じゃなさそうだな」
現れたゲンヤはスバルの状態を冷静に分析する。
「う・・・」
それに対しスバルはバツが悪そうに目を背ける。
自分が自らの意志で管理局を裏切った事をゲンヤに知られたくなかった。
その事態が知られれば彼は裏切り者の父親と言う十字架を生涯にわたって背負う事になる。
だから洗脳されたと思わせるために、同時に自分がナンバーズの一員になった証明としてスーツを纏ってここに来たのだ。
「理由は後で聞いてやる、戻って来いスバル。6課の連中も心配しているぞ」
それはゲンヤからスバルに送られた最後のチャンスだった。
スバルの現状を知る局員はゲンヤとその部下達だけだ、今ならまだ洗脳されていると隠し通す事が出来る。
まだ日常に帰れる、あの仲間達の居るところに戻る事が出来るのだ。
しかし・・・。
「ゴメン、父さん・・・」
スバルが出した結論は拒否だった。
「理由を聞いてもいいか?」
ゲンヤは静かに問う。
「私ね、ずっと探してたんだ。この拳は、この力は何のためにあるんだろうって、きっと大勢の『誰か』を助ける為にあるんだってそう思ってきた。でも・・・」
スバルはノーヴェの手を握りながら続ける。
「見つけたんだ。見知らぬ『誰か』じゃない、私の全てをかけて護りたいって思えるものが」
「おねえちゃん・・・」
真剣な眼差しで答えるスバル、その横顔を見ながらノーヴェは呟く。
「・・・それが、お前の出した答えか」
ゲンヤの言葉にスバルは頷きながら続ける。
「だから私は行くよ。邪魔するならたとえ父さんでも・・・!」
容赦はしない、そういいかけたときスバル達の背後で爆発が起こる。
「えっ!?」「爆発だと?!」「何スかっ!?」
スバルが振り返るとアインヘリヤルが燃えていた。
砲塔が傾斜して行き、落ちてきた砲身が地面に突き刺さる。
不恰好なオブジェと化したアインヘリヤルにナンバーズと108隊、共に困惑する中、新たな声が響く。
「皆!アインヘリヤルは破壊したわ、すぐに脱出して!」
現れたのはスバルと同様にナンバーズスーツに身を包んだギンガだった。
銀色のリボルバーナックルに覆われた腕には爆発性投げナイフ、スティンガを手にしたチンクが抱かれている。
アインヘリヤルを破壊したのはこの二人のようだ。
「ギンガ、お前もスバルと同じ答えなのか?」
燃え盛る炎に照らされたゲンヤはただ淡々と問う。
「・・・はい、父さん。私にも護りたい人が出来たから・・・」
そう言ってギンガはチンクに視線を落とす。
「・・・そうか」
ゲンヤはただ一言そういうと懐からソレを取り出した。
鈍く光る黒い銃身に回転式のシリンダー弾装。
デバイスとして個人携行が許された拳銃だった。
「なっ・・・!」
取り出した銃をゲンヤはスバルに向ける。
「ならもうお前らはもう俺の娘じゃあない。俺達が捕らえるべき犯罪者だ」
ゲンヤは静かにそう言い引き金を引いた。
乾いた銃声が当たりに響く。
「・・・父さん」
スバルは無傷だった。
放たれた弾丸は彼女の足下に着弾し、土煙を上げる。
ゲンヤは更に発砲する。
二発、三発、四発・・・。
ある弾は同じように足下に、ある弾は遥か後ろのアインヘリヤルの残骸に命中し火花を散らせる。
結局放たれた弾丸は一発たりともスバル達に当たることは無かった。
「・・・さっさと失せろバカ娘共、俺が次の弾を込めている間にな」
それはゲンヤが娘達に出来る最後の親心だった。
「っ!・・・ありがとう、父さん・・・っ!」
「お世話になりました!さようならっ!!」
涙を堪えながら踵を返すギンガとスバル。
それに続こうとするノーヴェたちをゲンヤは引き止めた。
「そういえばお前さんらの名前を聞いてなかったな」
「えっ?・・・えっと、ノーヴェ」
「そっちの銀髪は?」
「チンクです」
困惑しながらも答えるノーヴェ達。
「そうか・・・あいつらのことを、よろしく頼む」
「・・・はいっ」
ただ一言、そう言ってノーヴェ達はスバルを追い走り去った。
「・・・全く、父親の知らないところで色気づきやがって。いつの間にか大人になってたって事かな・・・」
ゲンヤの呟きに彼の部下達は苦笑する。
「しっかし、惚れた相手が娘っ子ってのは予想外だったなぁ・・・」
さすがにこの発言には反応に困る一同であった。



J.S事件・・・。
ミッドチルダを震撼させた大規模テロ事件だ。
首謀者の名はジェイル・スカリエッティ。
彼は彼の生み出した戦闘機人、ナンバーズを指揮し、時空管理局に反旗を翻した。
その最終局面、スカリエッティは古代ベルカの巨大戦艦『聖王のゆりかご」を起動。
ゆりかごは突入した機動6課の活躍で大きな損傷を負い、ミッドに対する爆撃は阻止され、最終的に駆けつけた次元航行部隊の砲撃で撃沈、ミッドの平和は護られた。
これが世間に公表されている表向きの顛末だ。
しかし実際は大きく異なる。
実際機動6課はゆりかご内部に突入したが損傷を負わせることはなかった。
現場指揮官の高町なのは一等空尉はゆりかご内部でかつて教え子だったナンバーズのナンバーⅩⅣと遭遇。
先の襲撃で拉致された娘のヴィヴィオをゆりかごからの即時退去を条件に解放、娘を抱き、共に突入したベルカ騎士とゆりかごを後にした。
ミッド郊外にあるスカリエッティの秘密研究所も既に引き払われており、突入したハラオウン執務官が見たのは拉致された人々が納められた生体ポッドと『新世界へ』と書かれた書置きだけだった。
駆けつけた艦隊による砲撃も着弾の直前に転移され命中せず、捜索しようにも放たれた魔道砲の余波で追尾できずロストすると言う失態を犯してしまった。
こうして無限の欲望の二つ名をもつ狂科学者と戦闘機人達は管理局の目を逃れ、管理局の勢力圏外へ脱出したのである。
彼女達が何処へ行ったのか、それを知る者は管理世界にいない。



風に揺られ、緑の絨毯がそよそよとなびく。
同色の絨毯の上に座ったスバルとノーヴェは寄り添いながら何処までも続く草原を眺めている。
「静かだね、この前までの喧騒が嘘みたい・・・」
「うん・・・」
管理局の手を逃れた一行は無差別跳躍を繰り返し、管理世界から遠く離れたとある無人の世界に下り立った。
「皆はどうしてるかな?」
「・・・うん」
そこでスカリエッティはナンバーズ達に自由行動を命じ、以来彼女達は思うままに生活している。
そしてスバルとノーヴェは二人でこの世界を旅することにした。
「今日は妙に大人しいけれどどうしたの?ノーヴェ?」
「・・・・・・」
姉の問いに沈黙するノーヴェだったが、意を決し口を開く。
「あ、あのさ・・・この間調整、覚えてる?」
それはスバル達が旅に出る直前に行われた身体の調整のことだ。
メンテナンスと同時に改造が行われ、ある実験の為にとある機能が彼女達に付加された。
実験の内容は単純明快、『戦闘機人同士での生殖は可能か?』
理論上は可能であり、後は確かめるだけとなり実験の為に今回の調整でナンバーズ達全員が生殖器を改造されることとなった。
とは言え改造は行われたものの実験への参加は強制でなく、本人達の自由意志によるとスカリエッティから通達されている。
「え?うん、覚えてるけれど・・・」
「その、さ。私が相手じゃ、嫌?」
モジモジと上目遣いにノーヴェが尋ねる。
「ノーヴェ・・・」
「わたし、スバ姉となら・・・ううん、お姉ちゃんの赤ちゃん、欲しいの・・・」
ノーヴェが精一杯の勇気を出して行った告白にスバルは佇まいを直し答える。
「ノーヴェ、ゴメンね」
スバルの言葉にノーヴェは絶望とも諦観とも思える感情に包まれる。
しかし姉の言葉はそれで終わりではなかった。
「ノーヴェに先に告白させるなんて、お姉ちゃん失格かも・・・」
「えっ?」
俯いていたノーヴェが顔を上げるとスバルはいつか見た自愛に溢れる笑顔を浮かべていた。
「私もね、ずっと言おうとしてたんだ。けど臆病だから言えなかったの」
「それじゃあ・・・」
ノーヴェの事場に頷くスバル。
「うん、だから私にもノーヴェの赤ちゃん、ちょうだい・・・」
「おねえちゃん・・・っ!」
感極まり抱きつくノーヴェ。
そんな愛おしい妹をスバルは優しく抱き返す。
暫く抱擁しあった姉妹は一度離れ見詰め合う。
「大好きだよ、おねえちゃん」
「私も大好き、一緒にお母さんになろう、ノーヴェ・・・」
互いの想いを確かめ合った二人は再び抱き合い顔を近付けていき。
「んっ・・・」
「んぅ・・・」
やがて二人の距離はゼロになり互いの唇を重ねあった。


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Comments

更新お疲れさまでした。
自らナンバーズになったスバルとギンガという展開も良いものですね。
父親であるゲンヤと別れ、ノーヴェとチンクはゲンヤから「娘達(スバルとギンガ)の事をよろしく頼む」とスバルとギンガをノーヴェとチンクに託すというのも良いものですね。

ただなぜスカリエッティはナンバーズ達に自由行動を命じたのかがちょっと分かりませんでしたが、もしかしてスカリエッティはもうする事はないと言うことでしょうか?
スバルがノーヴェと一緒という事は、ギンガはチンクと一緒ということでしょうか?
長くなりましたが、とりあえずハッピーエンドという事ですね。

Posted at 09:48:44 2016/09/18 by 特命

Comments

Re: タイトルなし

>特命様
ありがとうございます。
本作はスバ×ノヴェ50%、姉×姉30%、親心20%で出来ております。
いつもエッチな洗脳ばかり書いてるので今回の作品は新鮮な気分でした。

ドクターの出した自由行動ですが、管理局の脅威がなくなり無人世界な事もあってナンバーズ達が戦う理由がなくなったのが大きな理由です。
戦いの無い世界で彼女達がどのように生きるのかを見てみたいというのもあります、彼女達は戦闘機『人』ですから。
仰るとおり、ギンガはチンクと、他の姉妹達もドクターのもとに残ったウーノ姉以外は各々がグループを作って自由に暮らしています。

Posted at 11:39:59 2016/09/18 by motoji

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